腕上がりはどんな症状?
バイクのライダーに多く見られる「腕上がり」という症状は、アームバンプなどと呼ばれることもあります。
医療業界ではコンパートメント症候群という正式疾患名があります。
コンパートメント症候群には急性と慢性とがあり、最初は一時的だった急性コンパートメント症候群でも、適切な治療をせずに同じ原因をリピートすることによって慢性化するケースは少なくありません。
バイクレースに参加するライダーは、腕を構成している筋肉や神経、そして血管に大きな負荷がかかります。
バイクレースのスピードが増加することによってライダーの腕にかかる負担も大きくなり、近年では腕上がりで治療が必要なライダーの数は増えています。
バイクレースでは、ライダーは激しいブレーキングを数百回という回数で行います。
その際には、腕の筋線維は負荷に応じて膨らむことができ、最大で20%の膨張が可能です。
しかし、筋線維は膨らんでも筋膜は伸縮しません。
そのために、筋膜や血管が圧迫されることで、腕に力が入りづらくなってしまうという症状が起こります。
これが、腕上がりのメカニズムです。
腕上がりに悩まされるライダーが増えている理由は、テクノロジーの進化も大きく関係しています。
空力付加パーツがバイクに標準装備されることによって、バイクの性能は大きくアップしました。
しかしそれに伴ってライダーの体へかかる負担も大きくなり、それが腕上がりを引き起こしています。
どんな治療方法がある?
腕上がりの症状の治療法は、筋膜切開術という手術が一般的です。
これは、圧迫されている筋膜の内側にメスを入れることによって圧力を外へ逃がすという手術方法です。
一般の人が筋膜切開術を受けた場合、開腹には約6週間程度の期間がかかります。
しかしプロのレースライダーの場合には、手術法を工夫することによってレース復帰までの期間は2週間ととても短くなっています。
腕上がりは、ブレーキングやワインディングのリピートによって腕に負荷がかかり、発症するリスクが高まります。
サーキットレースに参戦するライダーの場合には、短時間の間にこの動作を多く繰り返すため、レース後に発症することが多い点が特徴です。
しかし、バイクに乗るライダーなら、プロのレーサーでなくても腕上がりが起こるリスクはあります。
この点は、理解しておきましょう。
例えば、ワインディングが続く道路をツーリングすると、慣れていないライダーだとと腕上がりとなってしまうことは珍しくありません。
軽度の場合には、手術は必要ありません。
もしもツーリングのワインディングロードで腕上がりの症状が起こったなら、速やかに休憩を取って腕の圧迫を取り除くことをおすすめします。
ペースを落として走行することもまた、腕上がりの軽減や症状改善につながります。